機能性胃腸障害を患い、克服するまでの経験談を書いています。
今回は心療内科から、機能性胃腸障害専門外来への転院について綴ります。
過去の記事はこちらから
→機能性胃腸障害体験談①〜機能性胃腸障害ってなに?わたしの初期症状〜
機能性胃腸障害体験談②〜心療内科に行った〜
転院のきっかけ
総合病院の消化器内科で薬が効かないと言われてからは、心療内科に通っていましたが、3回程通った時に、「診療内容に疑問」を感じました。
なぜなら・・
心療内科の診療は、ほとんど先生とお話をするだけで、
実際に不調をきたしている胃腸の方は、漢方を飲み続けるしか無かったからです。
もちろん、お話が全く無意味というわけではありませんし、漢方も効き目がゼロだった訳ではありません。
先生から、「ストレスの原因になっていることは何ですか?」
というような投げかけをいただき、ストレスの原因=主に仕事ということが判明。
→「仕事の休職をお勧めします。」と言って下さったことにより
自分の中で踏ん切りをつけることができました。
仕事についてはすぐに上司に休職を相談し、
まずは1ヶ月半ほど、有給を使ってお休みをすることになりました。
(有給が余っていたことと、GWが被っていたこともあり、休職という形ではなく一旦このようになりました)
そしてお休みに入る前に、
上司から「総合病院の精神科を紹介しようか?」と声がけをいただいたのですが、
ここで本当にその方面の治療が必要なのか違和感を感じ、一旦保留に。
機能性胃腸障害外来との出会い
誰か、前例はないのだろうか…と思い、ネットで「機能性胃腸障害」と検索。
治ったという実績のある情報が欲しくて、夢中で調べました。
そうすると、「機能性胃腸障害外来」という、専門の外来があることを知りました。
私がお世話になったのは、板橋にある内科がメインの〈新板橋クリニック〉という病院です。
院長の評判がとても良く、実際に治ったという方の口コミがあり、自宅からも通える距離だったので試しに1度行ってみることにしました。
参考:新板橋クリニック https://www.si-clinic.jp
機能性胃腸障害外来を受診
どんなところ?
クリニックでは、普通の内科診療の合間に機能性胃腸障害外来を診療しているようでした。
院長先生はとても温和な印象で、親しみやすかったです。
まず初めに、これまでの症状を伝えると、「機能性胃腸障害は個人差はあるけれども治せる病気だよ」と仰ってくださいました。
ネットなどでは、〈一生付き合わないといけない病〉と書いてあったり、何年も治っていない方もいたので、その時の私にはその言葉にとても救われました。
そして、診察内容は今までどんな病院でも体験したことのない、「機能性胃腸障害の仕組み」をまずは理解するということからでした。
治療内容①
機能性胃腸障害になってしまう仕組みについて、「原因不明」などという言葉で片付けずに説明してくださいました。
あくまでもイメージでの説明となりますが、以下の例えによって、理解しました。
①通常、人間は例えるならコップに水が入った状態で生活をしていて、感情の起伏によってその水の量が変化します。
②感情が溢れると、コップの水も溢れてしまいます。
③溢れてしまうと、身体にも異常をきたしてしまいます。
今は、その水が溢れ続けている状態。
その水が溢れないように、コントロールしていくことが大切だよ、一緒に練習していこう、と言われました。
治療内容②
具体的にはどのような治療だったかご紹介します。
①漢方薬と胃腸薬の内服
→変わらず六君子湯と、それでも胃もたれとお腹を下してしまうことが多かったので、追加でミヤBMという整腸剤を処方いただきました。
整腸剤にもビオフェルミンをはじめとして種類が色々ありますが、個人的にはビオフェルミンはお腹をゆるくする効果があり、反対にミヤBMはゆるい便を整えてくれる効果を感じます。
個人によって腸内細菌のバランスが異なるため、整腸剤は種類によって合う、合わないがあると思いますので、この辺りの種類をはお医者さんに相談しながら色々と試されてみても良いと思います。
また、途中から「半夏厚朴湯」も追加処方していただきました。
私の体質に合っていたのか、半夏厚朴湯を飲んでから喉のつかえ感が少なくなったように感じました!
▶︎半夏厚朴湯の効能:気分が塞いで、喉や食道につかえ感や異物感のある方。(不安神経症、神経性胃炎、つわり、しわがれ声に)
参考:https://www.tsumura.co.jp/products/ippan/040/index.html
②呼吸法の習得
→息を吸うときにお腹を思いっきり凹ませて、息を吐くときにお腹を膨らませる。
通常の腹式呼吸とはお腹の膨らませ方が反対なのですが、吸う時に凹ませるのは個人的にはやりやすかったです。
確かどちらも5秒間程度かけてゆっくり行うイメージだったと思います。
これを、1回あたり10回、1日に目安として20回以上行うように、と言われたと思います。
朝起きた時やご飯を食べる前、電車に乗っている間、トイレに行ったタイミングでなど、気づいた時に意識的に呼吸を取り入れることが重要とのことでした。
③胃腸のマッサージ
→おへそを中心として、いくつかのツボを教えていただきました。
お腹のツボが硬くなっていると、コップの水が溢れている状態=緊張状態ということで、少しでもゆるめるきっかけ作りをすることが大切だそうです。
診察を受けた際はどこもカッチカチの状態で、押してほぐすととても痛かったです。
ちなみに通常のリラックス状態の人は、硬くないそうです。
先生に押していただいて、ほぐすと、少し柔らかくなりましたが、これを日々の生活の中で自分でも続けることが大切とのことでした。
特に②と③が、おそらく院長先生オリジナルの治療で、そのクリニックでは重要視されているようでした。
のちに分かったのですが、呼吸をすると自律神経の副交感神経が優位になりやすく、身体を強制的にリラックスしている状態に持って来れるようになります。
そして、自律神経と胃腸の働きは直結しているので、この副交感神経を優位にさせるという方法は効果的でした。
実際に、呼吸をした後は少し気分が落ち着き、胃のツボ押しと相まって、胃腸がゴロゴロ、と少し動く感覚がありました。
振り返ると、これらを根気強く続けていくことが、治療を着実に進めていくことに繋がったな、と思います。
補足:この時の私の症状
この時、どのくらい胃腸に支障をきたしていたかを補足で記載します。
【食事】
・固形物を食べると、すぐに喉が詰まった感じがして、酸っぱいものも込み上げて味が変になる。
・消化不良で1日中胃もたれを起こして気持ち悪い。
・一時期、おかゆやスープ、うどん、バナナなどしか食べられなくなる。絶食をする日も。
・カフェインやカレー、チョコなどの刺激物を少量でも摂取すると、一瞬でお腹をくだす。
【身体・その他】
・胃に違和感を1日中感じる。
・夜、横になると逆流して胃酸が上がってくる。
・気分の浮き沈みが激しく、急に涙が出たりする。
・食べられないことがとても辛かった。
元々食べることが大好きだったので、消化に良いものしか食べられず、それがとても辛かったです。
体重も5キロくらい痩せたと思います。
続いて、症状改善のために行ったことと、完治までの経過についてこちらをご覧ください。
→機能性胃腸障害体験談④〜症状改善のために行ったことと完治まで〜
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