私自身が機能性胃腸障害(機能性ディスペプシア)を患った際に、様々なハーブや漢方を漁り、ハーバルセラピスト・漢方養生士の勉強や実体験を経て、実際に効果のあった「お茶として手軽に取り入れられるハーブ・漢方」を厳選していくつかご紹介します。
胃もたれ・消化不良の原因
胃もたれ・消化不良の原因
通常、食べたものは胃腸の運動や胃酸・消化酵素等によって消化・吸収されやすい形になりますが、身体的な疾患のあるなしに関わらず、胃腸の働きが低下して膨満感・胸焼け・吐き気・食欲不振などの症状が現れる、消化不良を起こすことがあります。
考えられる原因は、
・食べ過ぎ、飲み過ぎ
・刺激の強い食べ物を食べた
・過労やストレス
・胃の病気
などが挙げられます。
これらの症状が続くと胃の粘膜が弱り、炎症が繰り返されて治りにくい状態=慢性的な消化不良に繋がることも多くあります。
また、消化運動は、自律神経のうち「副交感神経」が優位になっている状態で促進されます。
過労やストレスで身体全体の緊張状態が続いていたり、不安が続いていたりすると、自ずと消化機能が働かなくなり、慢性的な消化不良を起こすことがあります。
消化と代謝を助けるハーブ
ハーブに含まれる様々な成分の中には、消炎や鎮痛・鎮静作用などの薬理作用を示すものがあり、古くから代替療法の1つとして取り入れられてきました。
また、ビタミン・ミネラルが豊富なハーブも多く、私たち人間にとって必要な栄養素を取り入れる手助けをしてくれます。
中でも、以下のような特徴をもつハーブは胃腸の消化を手助けしてくれる効果が期待できます。
●苦味を持つ
→苦味成分には、唾液や消化液・胆汁を分泌させる働きがあり、健胃作用・消化促進が期待できる。
●粘液質を持つ
→胃や腸の粘膜を保護してくれる働きがある。
● ビタミンやミネラル・フラボノイド・食物繊維を豊富に含む
→利用・緩下作用により代謝を助け、便秘改善などの効果が期待できる。
●香りによる効果
→抗酸化作用・食欲増進作用が期待できるものがある。
気を巡らせて消化を助ける漢方
漢方は、西洋ハーブと同様に成分や栄養素からの効果効能はもちろん期待できますが、それ以上に大切にされているのが「体質に合わせた養生」です。
「気・血・水」や「五臓」をもとにした体質診断などもよくありますが、「慢性的な胃もたれ」や、「ストレス等による消化不良」に陥りやすい方の体質は、以下の特徴に関係していると考えられます。
・〈気滞〉〈気虚〉〈血虚〉:気力や血などのエネルギー源・活力が足りていない状態
・〈水滞〉:梅雨などの湿気に弱く、身体(特に胃)に余分な水分が溜まっている状態
・〈肝〉〈脾〉:気がつまってストレスを感じやすく、消化吸収力が弱まっている状態
体調不良が現れる原因は、上記のような体質によるもので、その体質は個人によって様々です。
体質改善=体調を改善すると考えられています。
今回は、主に胃腸の不調が現れやすい方に向けた食材をご紹介します。
胃腸の不調におすすめのハーブ・漢方
ハーブ
●ジャーマンカモミール
分類:キク科/1年草
効果効能:安眠、リラックス、疲労回復。
→心身をリラックスさせ、胃の調子を整える。
香り・味:初心者でも比較的飲みやすく、ほんのりお花の香り。
●ペパーミント
分類:シソ科
効果効能:消化促進、温冷を整える、リフレッシュ、鎮静
→食後の消化促進におすすめ。
香り・味:メントールを感じるすっきりとした香りと味わい。
●ダンデライオン
分類:キク科
効果効能:利尿作用、胆汁分泌促進、消化不良改善、便秘解消、母乳の出を良くする
→胆汁を分泌し、消化不良を改善する。
※「根」と「葉」の2種類ありますが、「根」の方が消化促進にはおすすめです。
「根」:胆汁分泌促進、消化促進 / 「葉」:ミネラルが豊富で利尿作用、排出
香り・味:深みがあり、飲みやすい味。
●フェンネル
分類:セリ科
効果効能:腸内のガスを排出して消化を促す。むくみ、水太り改善。
→腸の膨満感の解消、消化促進に。
香り・味:スパイシーで甘みのある香り。
●レモングラス
分類:イネ科
効果効能:消化促進、リフレッシュ。
→胃の働きを刺激し、消化を助ける。
香り・味:フレッシュで少し甘味のあるレモンの香り。
●カレンデュラ
分類:キク科
効果効能:消炎作用、粘膜保護、月経痛の改善。
→胃の粘膜を保護し、胃炎などに作用する。
香り・味:草原のような香りと、若干の苦味があるがほとんど味はしない。
●パッションフラワー
分類:トケイソウ科
効果効能:安眠、鎮痛作用、疲労の緩和。
→心身をリラックスさせ、胃腸の調子を整える。
香り・味:干草の香りが広がり、クセがなく飲みやすい。
ハーブが買えるお店↓
いくつかのおすすめハーブがブレンドされている商品もあります♪
分類:オミナエシ科
効果効能:睡眠障害改善、不安を鎮める
→心身を鎮静させる。
※作用が強く眠気を促すため、運転前の使用は控える
香り・味:濃厚で甘味のある味わい。
漢方
●陳皮
部位:みかんの皮
効果効能:消化吸収の促進、余分な水分の排出、下痢、腹部の膨満感
→苦味質があり、消化を促進する。気を巡らせて水滞を改善。
●玫瑰花(マイカイカ)
部位:バラ科・ハマナスの花の蕾
効果効能:リラックス、胃腸の膨満感、血行不良や生理トラブルの改善
→ストレスからくる胃腸の不調を改善する。
●ハトムギ
部位:イネ科の穀物
効果効能:胃腸を整える、余分な水分を排出、下痢、神経痛、むくみ
→余分な水分を排出して胃腸の働きを高める。
●生姜
部位:生姜
効果効能:胃の冷え対策、嘔吐改善。
→胃腸を温めて消化を促進する。
※番外編
お茶としての飲用は馴染みがありませんが、消化促進にかなりおすすめの食材を1つご紹介します!
●サンザシ
部位:バラ科の果実。山査子。
効果効能:消化促進、消化不良改善。
→気や血を巡らせ、消化を促進する。
取り入れる方法:ドライフルーツを食前に3〜4個食べるのがおすすめ。
〈おすすめ商品リンク〉
●陳皮
●玫瑰花
●サンザシ
より効果が期待できるハーブティーの入れ方
一般的なお茶の淹れ方としては、ポットに茶葉を入れて熱湯を注いで3〜5分ほど蒸らすことが多いと思うのですが、より成分を抽出してハーブの効果を高めるためには「煮出す」方法がおすすめです。
〈やり方〉
①やかんに水を入れて、ハーブや漢方をブレンドしたティーパックを入れる。
②沸騰してから2分ほど煮出す。
③火を止めて、10〜15分ほど待つ。
④茶葉を取り出す。
〈飲み方〉
・1日3〜4杯を2週間以上続ける。
→体質改善には1〜3ヶ月ほどかかります。
・消化促進を目的とする場合は、食後に飲むのがおすすめ。
※毎日続けることが大切なので、煮出す方法が難しい場合は、通常通り熱湯を注いで蒸らす方法で構いません
ぜひ、ご紹介したハーブの中からお好きなものを選んでいただき、シングルでも勿論良いのですが、おすすめとしては2〜4種類ほどブレンドして楽しんでみてください♪
まとめ
実際に胃もたれや胃の不快感を感じるときに、消化促進のために飲んでいるハーブや漢方食材をご紹介しました。
ハーブ・漢方ティーを飲むだけですぐに胃腸の調子が劇的に良くなることはありませんが、飲んだ後は胃腸のすっきり感や膨満感の改善、リラックスすることによる安眠効果を感じられます。
その日の気分や体調に合わせて、3〜4種類ブレンドして飲用すると、自分の体調を見つめ直すきっかけ作りにもなりますし、リラックスする時間を作ることができるのでおすすめです。
ぜひ、お気軽に取り入れてみてください♪
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