【アロマ作りに欠かせない】植物油(キャリアオイル)ってなに?

アロマ・ハーブ

本記事では、アロマを楽しむ上で欠かせない、植物油(キャリアオイル)の種類や効果効能について記載いたします。

植物油(キャリアオイル)って何?

植物油(キャリアオイル)とは


植物油とは、その名の通り植物から取れるオイルのことです。
アロマの世界では、「キャリアオイル」と呼ばれています。
キャリア(Carrier)=運ぶ(Carry) という意味で、アロマ(精油)を身体に運ぶ役割を担います

どういうことかというと、まず、アロマ(精油)は下記の特徴を持っています。
①アロマ(精油)は脂溶性となっており、水に溶けない性質を持っている
②アロマ(精油)を原液のままお肌に付けられない

その点、植物油(キャリアオイル)は、皮膚に馴染みやすく浸透しやすいという特徴を持っており、皮膚に塗布した際に含有する精油成分とともに皮膚の奥の真皮層まで運んでくれる役割を果たします。

例えばお風呂にアロマ(精油)を直接垂らしてしまうと、精油だけが分離した状態になり、お肌に原液が付いて直接皮膚刺激を与えてしまうため、入浴時に使用する際も必ず植物油に溶かしてから使うように推奨されています。

また、濃度が高い精油を原液でお肌につけると皮膚刺激を与えて危険なことから、身体に塗布する際には植物油やクリーム等の基材に混ぜて濃度や使用感を調整してトリートメントを行うことになります

市販で売られているアロマオイルや、アロマ入りのボディオイル等も、様々なキャリアオイルとブレンドされています。

アロマ(精油)を楽しむ上で、植物油(キャリアオイル)はなくてはならないものですね!

植物油(キャリアオイル)の種類

植物油(キャリアオイル)は、木の樹脂等から抽出することができるので、植物が存在するだけ(何十、何百種類?)存在します。

ここでは、アロマセラピーで親しまれているキャリアオイルをご紹介します。
それぞれのオイルに特徴があり、保湿力に優れたもの、サラッとした使用感のもの等の使用感の特徴のほか、オイルの成分差による酸化のしやすさによって、開封後の使用期限目安も異なります

〈代表的な植物油〉

植物油名 抽出部位 成分特徴 使用感・特徴 開封後の使用期限目安
スイートアーモンド油 アーモンドの種子 オレイン酸60〜70% 粘性もあるが、比較的サラッとして使いやすい。浸透性も良く、お子様〜大人までどんな肌質にも合いやすい。※ナッツアレルギー注意 半年
オリーブ油 オリーブの果実 オレイン酸55〜80% やや粘性あり、サラサラするが伸びにくい。独特の匂いがある。 半年
グレープシード油 ブドウの種子 リノール酸60〜80%/ビタミン とてもサラッとしており、乾燥には向かない。脂性肌やトラブル肌におすすめ。 半年
セサミ油 ゴマの種子 リノール酸35〜50%/オレイン酸35〜50%/セサモール(天然酸化防止剤)/ビタミン アーユルヴェーダで良く使用され、サラッとしているのでヘッドマッサージにもおすすめ。あらゆるタイプの肌向け。 1年
アボカド油 アボカドの果肉 オレイン酸60〜75%/脂溶性ビタミン豊富 伸びやすく、ビタミンEが豊富で皮膚を柔らかくしてくれる。 半年
マカデミアナッツ油 マカデミアナッツの種子 オレイン酸55〜65%/パルミトレイン酸20〜25% ビタミンや栄養が豊富で、乾燥肌・老化肌におすすめ。※ナッツアレルギー注意 半年
ホホバ油 ホホバの種子 ※植物ロウ(ワックス) 粘性があり、保湿力に優れている。皮膚刺激性も少ないため、様々な用途で使用される。 1年
ツバキ油 椿の種子 オレイン酸85% 特に粘性があり、保湿力に優れている。皮膚軟化やヘアケアによく利用される。 1年
サンフラワー油 ひまわりの種子 リノール酸70% サラッとしていて伸びやすく、皮膚を柔らかくする。 半年
アプリコット油 あんずの核 オレイン酸70% 粘性あり、皮膚軟化と保湿力に優れる。スキンケアにおすすめ。 半年
イブニングプリムローズ油 月見草の種子 リノール酸55〜75%/γリノレン酸10% かなりサラッとしている。 1ヶ月
ローズヒップ油 カニナバラの種子 リノール酸50〜60%/リノレン酸20%/ビタミン ビタミン豊富で老化肌・乾燥肌におすすめ。サラッとしている。 1ヶ月

また、オイルによって色味も異なります。
少し見づらいですが、実際にクラスで比べた際の写真を差し込みます。

成分の違い

では、植物油の特徴の違いはどこから出てくるのでしょうか?
それは、精油同様に成分の違いとなります。

植物油(キャリアオイル)は、主に植物性油脂からできているものがほとんどです。
※一部植物ロウ、炭化水素からなるものもある

サラッとしている、保湿力がある、栄養素が豊富などのキャリアオイルによる特徴の違いは、油脂の中に含まれる、脂肪酸の種類や含有比率、またプラスαの含有成分によってわかれます

脂肪酸には、主にオレイン酸、リノール酸、ステアリン酸などの種類がありますが、酸化のしやすさ・しにくさ、またテクスチャ等の特徴は以下の3種類の分類によって変わります

①飽和脂肪酸:ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸など
 →酸化しにくい。常温で固体となる。
  比較的粘性があり、保湿力も高い
  例)ココナッツ油、シアバター

②単価不飽和脂肪酸:オレイン酸、パルミトレイン酸など
 →飽和脂肪酸に比べると酸化しやすい。常温で液体となる。
  やや粘性があるが、比較的サラッとしていて程よく保湿力がある。
  例)スイートアーモンド油、オリーブ油、アプリコット油

③多価不飽和脂肪酸:リノール酸、リノレン酸など
 →特に酸化しやすい。常温で液体となる。
  粘性が少なくサラッとしていて、浸透力が高い。
  例)グレープシード油、イブニングプリムローズ油、サンフラワー油

このように、構成されている成分を見ると、そのキャリアオイルの特徴がわかるようになります。
オイル同士をブレンドする際も、酸化しやすいオイルと酸化しにくいオイルを混ぜて酸化しずらくしたり、粘性のある保湿力の高いオイルにサラッとするオイルを混ぜてテクスチャを調整する等、それぞれのオイルの特徴を活かすことができます。  

精製油・未精製油の違い

また、植物油は、抽出される過程の違いにより「精製されているもの」と「未精製なもの」に分かれます。

●精製
植物から抽出したオイルに含まれる、残留した色素や遊離脂肪酸などの不純物を除去したオイル
一般的に精製の度合いが高いほど無色に近づく。
本来の栄養素が一部失われるが、オイル独特の香りも精製されるため、精油をブレンドした際に精油の香りが感じられやすい。

●未精製
上記の精製作業を行わない、不純物や本来の栄養素が残ったままの純オイル
低温圧搾法(コールドプレス)でゆっくり抽出される。
天然の色や香りが楽しめ、本来の栄養素が丸々残りやすいが、アレルギー持ちの場合は注意が必要なことがある。

未精製オイルの方が、抽出に時間がかかり、一度に採れる量も限られるため、価格が高い傾向にありますが、その分本来の植物の栄養素をお肌に届けることができます。
それぞれの特徴を知った上で、選択されると良いかと思います。

用途別・おすすめキャリアオイル

スキンケア

スキンケアでは、栄養価の高いオイルを使用することがおすすめですが、肌質別でも変わってきます。

〈乾燥肌〉
アプリコットオイル、ホホバオイル、マカデミアナッツオイル

〈脂性肌・混合肌〉
グレープシードオイル、サンフラワー油、イブニングプリムローズ油

〈エイジングケア〉
ローズヒップ油、イブニングプリムローズ油、マカデミアナッツ油
※ローズヒップ油やイブニングプリムローズ油は、単体ではなく他のオイルに20%程ブレンドするのがおすすめです。

ヘアケア

粘性があるオイルの方が髪の毛は保湿しやすいのですが、ベタベタするのが苦手な方はあえてサラッとしているものを使われると良いかと思います。

〈乾燥・ダメージ毛〉
ツバキ油、ホホバオイル、アルガンオイル

〈猫っ毛・ペタンとしたくない〉
オリーブ油、カカイナッツ油、セサミ油

ボディケア

ボディケアには、ある程度伸ばしやすいオイルがおすすめです。
特に乾燥する部分には、スキンケアの〈乾燥肌〉に書いているオイルをブレンドしたり、単体で付けるのも良いと思います。

〈アロマトリートメントにおすすめ〉
スイートアーモンド油、サンフラワー油、グレープシード油

まとめ

キャリアオイルの種類や特徴がわかると、選ぶのも楽しくなりますよね。
実際に精油(アロマ)を使った、楽しみ方のレシピや使用するときの濃度については、こちらの記事でまとめていますので、ぜひ併せてご覧ください♪

Profile
Writer

30代のOL・1歳娘を子育て中。
AEAJアロマインストラクター資格取得後、オーストラリアで自然療法を学ぶ。
漢方養生指導士(ベーシック)・登録販売者資格保持。

~Comment~
25歳で機能性ディスペプシアを患い、一般的な薬が効かない、心身の不調を経験してから、漢方治療・アロマ・ハーブの力にとても助けられました。
毎日の植物療法の取り入れ方や、これまで学んだことを少しでも発信していけたらと思っています。
また、子供が生まれてから遊びに行った場所や日常も合わせて綴っていきます。

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