25歳で機能性胃腸障害(機能性ディスペプシア)を患い、克服するまでの経験談を書いています。
今回は症状改善のために行ったことを中心に綴ります。
過去の記事はこちらから
→機能性胃腸障害体験談①〜機能性胃腸障害ってなに?わたしの初期症状〜
機能性胃腸障害体験談②〜心療内科に行った〜
機能性胃腸障害体験談③〜機能性胃腸障害外来を発見!転院〜
機能性胃腸障害外来での治療
通院
機能性胃腸障害外来には、最初は2週間に1度、数ヶ月経ったら1ヶ月に1度、最終的に治る直前は3ヶ月〜4ヶ月に1度程の頻度で通いました。
まずは「最近の体調はどうか?困っていることはないか?」という質問をしてくださり、
胃腸の状態や、日常生活でメンタル面でも良いので困っていることがあれば何でもお話します。
1番よく質問したなぁ…と思うのは、「今どのくらい治ってますか?いつ頃治りますか?」だったかもしれないです。
その度に先生に言われたのは、「車や自転車の運転練習と同じです。今は補助付きでフラフラしながら走行している状態。焦らず、少しずつ練習していくことで上手く乗りこなせるようになる=日常生活も前のように送れるようになりますよ。まだ、漢方を飲んでいたり、胃もたれが起きるということは、まだ補助付きの状態ですよ。」ということです。
優しい顔で、ゆったりお話してくださるので、やっぱりまだ治らないか…という残念な気持ちは感じますが、受け止められました。
どうしても、早く治りたくて焦って完治を急いでしまいますが、一度崩れてしまった自分の身体の仕組みを整えるには時間がかかること。
焦らず、先のことを考えすぎずに目の前の出来ることに取り組もう、と何度も思いました。
基本的な最初の治療内容は、こちらの記事で紹介していますが、
①漢方内服、②呼吸法の実践、③胃腸のマッサージ は引き続き実施し、途中から
④想定外のことが起きたら自分に「大丈夫だよ」と言い聞かせる という作業が追加されました。
あえて、「作業」と書いていますが、②③同様にあくまでも「意識的に気を緩める時間を持つ、強制的に心を落ち着かせる」ことが大切です。
やり方は、、
心配事や、何か大事なイベント前、また急に他の人に何か気になることを言われて気にしてしまう時など、心がざわざわした時に、自分を自分でハグ(両手で肩を抱く)して、心の中ででも、小さい声ででも良いので「大丈夫、大丈夫」と言い聞かせる、というものです。
そして、個人的にはそれを行った後に②の呼吸法で深く深呼吸するとだいぶリラックスできました。
先生の診察は、毎回「ヒヤリング」、「②〜④の確認」を行っていくことがメインでした。
都度、胃のツボがどうなっているか、呼吸がちゃんと出来ているかを丁寧に確認してくださいました。
胃腸のツボについてはこちらの記事、〈お腹のツボ〉でまとめています。
機能性胃腸障害を防ぐ仕組み
機能性胃腸障害になってしまう基本的な仕組み(個人的体験&見解も含みます)は、以下だと思っています。
〈ステップ1〉
不安や緊張を感じる ※些細なことで自分でも気づかない場合も多い。
〈ステップ2〉
不安や緊張が続いたり、定期的or長時間その環境に身を置いてしまう
〈ステップ3〉
心の不安や緊張によって身体全体が緊張状態に陥り、自律神経が乱れる
〈ステップ4〉
自律神経と深く関係している内臓機能(特に胃腸)に症状が現れる
そのため、治療ではまず「ステップ2の環境から身を離れるようにする」ことと、日常的には「いかにステップ1の段階でコントロールできるようになるか」が大切になります。
機能性胃腸障害と診断されている=ステップ4の症状が既に現れてしまっている状態だと思うので、今後新たに発生する不安や緊張には、まずは強制的に対処することが必要です。
そのための身体をリラックスさせる、自律神経を整える目的として、②〜④の作業を意識的に行うことはとても有意義でした。
通院以外で取り組んだこと
鍼治療
自律神経を整える効果があるとのことで、鍼にも一時期通っていました。
部分治療と全身治療がありますが、鍼の先生に最初見ていただいたところ、「全身が緊張状態」とのことだったので、胃腸症状に効くポイントをメインとした全身治療を行いました。
私には即効性があり、胃腸がどうしても気持ち悪くて消化不良でどうしようもない時に行くと、治療の数時間後には胃腸が少しゴロゴロと動く感覚があり、身体も軽くなりました。
ただ、持続性はそこまでなく、その後の戻りも早かったです。
週に1度以上通えれば良いのでしょうが、金銭的にも厳しかったのでどうしても辛い時に通っていました。
金銭的余裕があれば、定期的に通うことでかなり症状は軽減できると思います。
また、鍼治療で良く鍼を刺されているポイントを家で自分で押すのも効果があったと思います。
胃腸のツボで実際に効果を感じた箇所をまとめていますので、こちらの記事もぜひご覧ください。
ハーブティーを飲む
胃腸の消化を促進する働きのあるハーブや漢方を勉強して、日々取り入れるようにしていました。
また、リラックスできると自律神経が整うため、リラックス・安眠効果のあるハーブも飲んでいました。
色々と種類がありますが、手に入れやすいものでおすすめは下記です。
その日の気分に合わせて3種類ほどブレンドして取り入れていました。
※詳しくはこちらの記事でまとめています!
カモミール
→リラックス、鎮静、胃の調子を整える
※キク科の植物なので、アレルギーある方は注意
ペパーミント
→胃の消化促進。温冷を整える作用があるため、冷えすぎ、熱を持ちすぎた時の調整にも。
ダンデライオン
→消化促進、利尿作用、血液浄化
フェンネル
→腸内ガスの排出、消化促進、利尿作用
レモングラス
→消化促進、疲労回復
陳皮(みかんの皮を乾燥させたもの)
→身体の過剰な水分を調整し、胃もたれ改善
バレリアン
→鎮静作用、緊張緩和、安眠効果
※ハーブの中でも、眠たくなる効果が強く、運転前の使用は控えるようにとされています。
その日の体調にもよりますが、私は飲んだ30分後位に眠くなります。
パッションフラワー
→鎮静作用、安眠効果、リラックス
ルイボス
→リラックス、利尿作用、免疫力アップ
私は上記の商品リンクにも多く登場している「ヴィーナース」さんはよく利用しています。
また、単体をブレンドするのも良いですが、既にブレンドされているものだと手っ取り早いですよね。
↓こちらの商品はカモミールとペパーミントがブレンドされています
↓こちらはカモミールとパッションフラワーがブレンドされています
その他、お茶ではありませんが、「サンザシ」も消化促進作用があり、ドライにしたサンザシを食前やおやつ代わりに食べると、胃がゴロゴロと動く感覚があり、重宝していました。
ヨガ・ストレッチをする
身体(特に背中や肩甲骨・内臓の周辺筋肉)を動かすことで自律神経が整うと知って、コロナ前はホットヨガに通い、コロナ後も家でできる簡単なポーズを取っていました。
〈おすすめのポーズ・体操〉
●猫のポーズ
→両手両足で四つん這いになって、背骨や肩甲骨周辺を動かす。
参考:https://www.hotyoga-caldo.com/home/pose002.php
●うさぎのポーズ
→頭頂部を床に付けて刺激することで、頭がすっきり。
参考:https://www.hotyoga-caldo.com/home/pose019.php
●英雄のポーズ
→体全体を動かし、内臓を刺激する。
参考:https://www.hotyoga-caldo.com/home/pose006.php
●肩・肩甲骨回し
→両手をそれぞれの肩に乗せて、大きく前回し10回、後ろ回し10回行う。
お風呂上がりや寝る前に行っていました。
アロマを取り入れる
香りの癒し効果は絶大です。
お気に入りを見つけて寝る前や緊張した時に取り入れるのもおすすめです。
私が好きな香りで良く取り入れていたのは、下記です。
〈リラックスしたい時・寝る前〉
ラベンダー、スイートオレンジ、プチグレン、パイン
→ラベンダーは寝る前の必需品でした!
〈リフレッシュしたい時・気分を切り替えたい時〉
ユーカリ、ペパーミント、ローズマリー
→ペパーミントは胃腸機能を整える役割も果たすので、おすすめです♪
ブレンドされているアロマもたくさんあるので、お好きな香りを選ばれると良いと思います♪
ただ、アロマ商品として売られているものは身体にしっかり働きかけるもの(本物)とそうでないもの(香りを楽しむだけのもの)があるため、効果を求める場合に精油選びには注意が必要です。
こちらの記事で詳しく書いていますのでぜひ参考にしてみてください!
食後3時間は横にならない
逆流症状も酷かったため、食後3時間は必ず体を起こすようにしていました。
さらに、3時間経過後も逆流症状が続くことも多かったため、寝るときは必ず傾斜が付くように枕の位置を高くして寝ていました。
家にあるクッションなどを使用して、20〜30°程をキープするのがおすすめです。
(本当にひどい時はほぼ体を起こした状態で寝ることもありました)
クッションに限界を感じる場合は、程よい傾斜をつける三角枕が売っているので、ぜひ活用いただくと良いです。
私もこちらにかなり助けられました…!
治療の経過
数ヶ月〜半年
1日2日で劇的に良くなることはありませんが、数ヶ月〜半年程実施していると、胃のツボが硬くない時間ができてきたり、固形のものが少しずつ食べられるようになったりと、徐々に徐々に改善の兆しが見えてきました。
もちろん、昨日は良かったのに今日はダメとか、数日良かったのにまた急に悪くなるとか、そういうことの繰り返しでした。
食べ物も、消化に良いものをかなり調べて選んで食べるようにし、刺激物はもちろんのこと、食物繊維が多くて消化に時間がかかるもの等は避ける生活を1年以上は送ったと思います。
カレーなんて2年以上は食べられませんでしたし、大好きだった揚げ物やチョコレートも控えていたのでそれはストレスでしたが、なるべく考えないようにしていました。
仕事については、約2ヶ月の休職後、時短勤務で復帰し業務内容も見直していただいたことで少しずつ社会復帰していきました。
1年〜2年
まだまだ慢性的な胃の膨満感や、胃もたれ、消化不良には悩まされており、漢方薬は1日3回必須で飲んでいましたが、徐々に食べられるものが増えてきました。
調子の良い時はチョコレートや、キムチなどの刺激物も少量ずつ食べられるようになりました。(食べた後に急にお腹を下すことももちろんありました)
そして、勤めていた会社に大きな不満はありませんでしたが、少しずつ今後のことを考えられるようになり、転職を決意。
結婚と引っ越しもして環境が大きく変わりました。
3年目
転職・結婚・引っ越しと環境の変化があり、ストレスを感じるとやはり胃の状態は悪化しました。
ですが、その悪化の振り幅も以前よりは抑えることができ、都度リラックスしたり、その時の自分を受け入れることで乗り切りました。
また、転職後、職場環境が変わり、これまでシフト勤務もあったところ「日勤&土日休みで生活リズムが整ったこと」「新しい環境で今までと比べて他者を過度に気にしないようになった」結果、
体調の良い時間も増えて、漢方を飲む頻度を1日に3回→2回に減らしてみるなど、少しずつ補助なしでも生活できるように挑戦できるようになりました。
さらに大きな転機となったのは、コロナです。転職後、それなりに忙しい日を過ごしていましたが、コロナが流行って以降、イベント業務(体力を使う業務)の減少と在宅勤務の増加があり、生活スタイルが大きく変わりました。
自宅でゆっくり過ごす時間も増えて、食事をとる時間もリズムが整った結果、漢方薬を手放しても問題がない程まで回復することができました。
元々体力がそんなにあるわけではなく、メンタル面もタフではないので、無理がなくゆったりとした生活を送ることが自分に合っているんだなぁと強く感じました。。
その後は、カレーも食べられるようになり、カフェインや冷たいアイスを摂取してもお腹を壊すこともなく、機能性胃腸障害を患う前と変わらない程までとなりました。
ただ、大きなストレスがかかったり、急な環境の変化についていけなくなった際にはやはり胃腸障害が出やすいので、体質として注意が必要だと感じています。
まとめ
最終的に、治療で役に立ったなと思ったことは下記です。
●機能性胃腸障害外来に通う
→専門のお医者さんと二人三脚で治療にあたることができるのと、気持ちを理解した上で今後取り組むべきことや方向性を導いてくれるのでおすすめです。
●自分に合った生活スタイルで過ごす・必要があれば環境を変える
→私の場合、オンとオフを分けやすい勤務体系で仕事をすること、業務に追われすぎず余裕を持って過ごせること、食事の時間をなるべく揃えることがポイントでした。
●想定外のことも受け止める意識
→気分が落ち込んだり、嫌なことがあっても、一旦その気持ちを受け止めて、否定しない。
●強制的にリラックスする時間をもつこと
→呼吸でも、ストレッチをすることでも、鍼灸に通うことでも、ハーブティーを飲んだりアロマに癒されたりすることでも何でも良いので、1日に数回意識的にリラックスする時間を持つようにする。
●焦らない気持ち
→ちょっとずつしか良くならないし、良くなったと思えば悪くなることの繰り返しなので焦ってしまうのですが、地道に治療しようという気持ちを持って、心に少しでも余裕を持つことが大切だなと思いました。
以上、4回に渡って経験談を書かせていただきました。
症状の出方は様々かと思いますし、あくまでも私1人の体験談となりますが、少しでも誰かの参考になりましたら幸いです。
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